法人営業が失注する7つのケース
法人営業は、顧客の問題を見つけ、その問題を解決できる商品やサービスを提案し、契約に導くことが目的です。しかし、営業活動の中でさまざまな原因により失注することもあります。この記事では法人営業において失注するケースを7つ挙げ、その原因を理解し、対策を考えてみることにします。
法人営業が失注する7つのケース
- 信頼関係が築けていない
- 資料が分かりにくい
- ヒアリングが不十分である
- 顧客の不安を解消できていない
- 価格が不透明である
- 費用対効果やメリットを十分に説明できていない
- そもそも顧客ニーズに合っていない
信頼関係が築けていない
顧客のお困りごとを理解し、予算や購買のタイミングを把握し、顧客に先回りして顧客のための提案をすることが大事です。顧客自身が、大切にされている、真剣に考えてくれていると感じるため、あなたに対して信頼感を持つようになります。
【信頼関係が築けない原因】
①顧客とのコミュニケーション不足
言うまでもなく顧客とのコミュニケーションが不十分だと、顧客のお困りごとを正確に把握できず、適切な提案ができません。適切な提案ができずトンチンカンな提案だと頼りない印象を持たれ、あなたのことを信頼してもらうことはできません。
②聞く姿勢が欠如している
顧客の話を聞くことは、信頼関係を築く上で最も重要なスキルです。顧客の話をしっかり聞くことで、顧客の問題を正確に把握することができ、共感を示すことができるからです。逆に、顧客の話を聞かずに自分の話ばかりすると、顧客は不快感や不信感を抱き、あなたから買いたいと思わなくなります。
【対策】
①コミュニケーションを増やす
顧客とのコミュニケーションを増やすことで、顧客の問題を深く理解し信頼関係を強化できます。電話やメールだけでなく、対面やオンラインでのミーティング、食事や飲み会など、さまざまなコミュニケーションを増やし顧客との接点を多く持つようにします。
②聞く姿勢を身につける
顧客の話を聞くときは、ただ黙って聞くのではなく、相槌や質問などで相手の話をちゃんと聞いている、関心があることを示すことです。また、相手の話を要約したり、感想や意見を述べることで、相手の話をしっかり聞いていること、理解していること、共感していることを伝えることができます。
信頼関係は一朝一夕には築けませんが、コミュニケーションの質や量を改善することで、少しずつ構築することができます。信頼関係を築くことで、顧客との関係はより良いものになり、受注や長期的な取引にも繋がりやすくなります。
資料がわかりにくい
商品やサービスの利用後の具体的な状況を顧客がイメージできるよう、明瞭で理解しやすい資料が求められます。資料が分かりにくいと、提案内容が伝わらず、価値を感じてもらえず、顧客の不安や疑問を増やしてしまいます。
【資料がわかりにくい原因】
①資料の目的やメッセージが明確でない
資料を作る前に、誰に対して、何を伝えたいのか、どんな行動を促したいのかを明確にしておくことが重要です。資料の目的やメッセージが明確でないと、情報が整理されず、読み手に伝わりにくくなります。
②資料の構成や流れが不自然である
資料を作るときは、提案相手の視点に立って、論理的でわかりやすい構成や流れにすることが必要です。資料の構成や流れが不自然だと、提案相手は内容についていけず混乱してしまいます。
③資料のデザインやレイアウトが見づらい
資料を作るときは、文字や図表のサイズや色、フォントや余白などのデザインやレイアウトにも注意することが大切です。資料のデザインやレイアウトが見づらいと、提案内容や価値が正確に伝わらない、重要なポイントを見落としたりする可能性があります。
【対策】
①資料の目的やメッセージを明確にする
資料を作る前に、自分が誰に何を伝えたいのか、どんな行動を促したいのかを明確にしましょう。資料の冒頭にその目的やメッセージを簡潔に述べ、読み手に資料、提案内容の方向性を示すことが重要です。
②資料の構成や流れを自然にする
資料を作るときは、提案相手の視点に立って、論理的でわかりやすい構成や流れにしましょう。マインドマップ等のツールを使い、内容を整理してから作成することが有効です。一般的には、現状の問題点や課題、解決策や提案、効果やメリット、アクションプランや次のステップなどの順番で説明することが効果的です。
③資料のデザインやレイアウトを見やすくする
資料を作るときは、文字や図表のサイズや色、フォントや余白などのデザインやレイアウトにも注意しましょう。文字は大きすぎず小さすぎず、色は目立ちすぎず地味すぎず、フォントは読みやすく統一感があるものを選ぶことです。図表は必要最低限のものにし、わかりやすいタイトルやラベル、凡例をつけましょう。
資料がわかりやすくなると、提案内容や提供できる価値が伝わりやすくなり、顧客の不安や疑問を減らすことができます。
ヒアリングが不十分である
ヒアリングの目的は、顧客が持つ現状の問題点を洗い出し、「課題の設定」を行うことです。ヒアリングが不十分だと、課題の設定が不十分になり適切な解決策を提案できず、顧客の納得感を得ることができません。
【ヒアリングが不十分になる原因】
①商談前の事前準備が不十分である
商談に臨む前に、顧客の基本情報や業界の動向、競合他社の状況などを調査しておくことが重要です。事前準備が不十分だと、顧客のニーズや課題に対して仮説が立てられず、質問の方向性がぼやけてしまいます。
②話し方が不適切である
ヒアリングの際には、相手のペースや雰囲気に合わせて話すことが大切です。話し方が不適切だと、相手に不快感や不信感を与えてしまい、本音を引き出せません。話し方が不適切な例としては、早すぎる、声が小さすぎる、トーンが低すぎる、押し付けがましい話し方などが挙げられます。
③質問の仕方が不適切である
ヒアリングの際には、相手の問題や課題、考えなどを聞き出すための質問をすることが必要です。質問の仕方が不適切だと、相手に答えにくさや嫌悪感を与えてしまい、本音を引き出せません。不適切な例としては、尋問のような質問ばかりする、質問がYesかNoで答えられるものばかりである、質問が自分の意見を押し付けるようなものであるなどが挙げられます。
【対策】
①商談前の事前準備をしっかり行う
商談に臨む前に、顧客の基本情報や業界の動向、競合他社の状況などをしっかり調査しておきましょう。そのうえで、顧客が抱えている問題やニーズに関する仮説を立て、商談の方向性を予測しておきます。事前準備をしっかりと行うことで、質問の内容や順序を明確にすることができ、相手の納得感や安心感を得ることができます。
②話し方を相手に合わせて調整する
ヒアリングの際には、相手のペースや雰囲気に合わせて話すことが大切です。話し方を相手に合わせて調整することで、相手に信頼感や親近感を与えることができます。話す内容だけでなく、ジェスチャーを入れるなど工夫することも大切です。相手の話し方を観察し、話し方の速度や声の大きさやトーン、話し方の態度などを参考にすることが大切です。
③質問の仕方を工夫する
ヒアリングの際には、相手の問題や課題、考えなどを聞き出すための質問が必要です。質問の仕方を工夫することで、相手に答えやすさや興味を与えることができます。質問の仕方を工夫するためには、質問の数、タイミングや内容を適切に調整し、YesやNoで答えられないオープンなものにする、質問が自分の意見を押し付けないものにするなどの工夫が必要です。
ヒアリングは営業活動の中でも重要なプロセスです。ヒアリングが上手にできれば、顧客のニーズや問題を把握し、適切な解決策を提案することができます。
顧客の不安を解消できていない
商談プロセスの中で、顧客の疑問や不安を解消できないと、失注のリスクが高まります。プレゼン時やその後に、顧客の疑問や質問を確認し、わかりやすく説明することが重要です。
【顧客の不安を解消できていない原因】
①提案内容が顧客のニーズや課題に合っていない
提案内容が顧客のニーズを満たし、問題の解決策になっていないと、顧客は必要なものかどうか疑問に感じます。顧客に提案する前に、ニーズや問題を十分にヒアリングし、分析し、理解することが重要です。
②提案内容が具体的でない
顧客に提案するときは、提案内容が具体的であることが求められます。具体的でない曖昧な提案内容は、顧客にとって信頼できないものと感じられます。具体的でない提案内容の例としては、数字や根拠がない、実現可能性や効果が不明確なもの、顧客の状況に合わせたカスタマイズがないものなどが挙げられます。
③提案内容が伝わっていない
顧客に提案するときは、内容が顧客に分かりやすく正確に伝わることが重要です。伝わらない提案内容は、顧客は理解できず必要がないものと感じます。伝わらない提案内容の例としては、言葉や表現が難解で意味不明なもの、資料やプレゼンテーションが見づらいもの、話し方や態度が押し付けがましく不適切であるなどが挙げられます。
【対策】
①提案内容を顧客のニーズや課題に合わせる
顧客に提案する前に、顧客のニーズや課題を十分にヒアリングし、分析し、理解しましょう。そして、提案内容を顧客のニーズや問題に合わせてカスタマイズし、顧客にとって価値があるもの、購入の必要があるものを明確に示すことです。
②提案内容を具体的にする
顧客に提案するときは、内容を具体的にしましょう。具体的にするためには、数字や根拠を示し、実現可能性や効果を明確にし、顧客の状況に応じてカスタマイズを行うことが必要です。顧客に自分たちのための提案と理解してもらうことが大切です。
③提案内容を伝える
顧客に提案するときは、相手に合わせた提案内容を伝えることが重要です。伝えるためには、言葉や表現をわかりやすくし、資料やプレゼンテーションを見やすくし、話し方、聞き方や態度を適切にすることが重要です。
顧客の不安を解消することで、顧客の納得感や信頼感を高め、受注に近づくことができます。
価格が不透明である
価格設定には透明性を持たせることが重要です。商品やサービスの価格が不透明であることは失注を招く要因となります。顧客は商品やサービスの価値を理解するために価格を明確に知りたいと常に思っています。
【価格が不透明である原因】
①価格の根拠が明らかでない
商品やサービスの価格は、価値、品質、コストや競合他社の価格などに基づいて決められます。しかし、その価格の根拠が顧客に伝わらないと、価格が適正であるかどうか顧客は判断できません。根拠が明らかでないと、顧客は不信感や疑念を抱き、購入意欲を失うことがあります。
②価格が一貫性や公平性に欠ける
商品やサービスの価格は、顧客や状況に応じて変動することがあります。しかし、その変動の理由や基準が不明確だと、一貫性や公平性に欠けていると思われます。価格が一貫性や公平性に欠けると、顧客は不満や不審感を抱き、購入意欲を失うことがあります。
③価格が表記されていない
商品やサービスの価格は、顧客にとって購入の重要な判断基準の一つです。しかし、ホームページなどに価格が表記されていなかったり、わざと見えにくくされていたりすると、顧客は不快感や不審感を抱き、購入意欲を失います。
【対策】
①価格の根拠を明確にする
商品やサービスの価格は、価値、品質、コストや競合他社の価格などに基づいて決められています。これらの根拠を顧客に明確に説明することで、価格が適正であることを納得させることができます。価格の根拠を明確にするためには、数字、データ、他社状況などを用いて具体的に示すことが必要です。
②価格の一貫性や公平性を保つ
商品やサービスの価格は、顧客や状況に応じて変動することがあります。しかし、価格変動の条件、範囲や期間などを事前に知らせること、価格の根拠や基準を明確にすることで、価格の一貫性や公平性を保つことができ顧客の納得感を得ることができます。価格の一貫性や公平性を保つためには、価格変動の条件、範囲や期間などを事前に知らせること、その価格の根拠を伝えることが重要です。
③価格を表記する
商品やサービスの価格は、顧客にとって購入の重要な判断基準の一つです。価格をきちんと表記することで、顧客に信頼感や安心感を与えることができます。
価格が不透明であることは、顧客の購入意欲を低下させるだけでなく、自社に対するイメージや信頼性にも悪影響を与える可能性があります。価格設定には透明性を持たせることで、顧客の満足度やロイヤルティを高め、受注に近づくことができます。
費用対効果やメリットを十分に説明できていない
費用対効果の納得感がなければ、受注は望めません。企業側の購入メリットを、具体的な数値や表現を用いて説明しましょう。費用対効果を理解してもらうと、受注の可能性は高まるでしょう。
【費用対効果やメリットを十分に説明できていない原因】
①提案内容が顧客のニーズや課題に合わない
顧客に提案する前に、顧客のニーズや問題を十分にヒアリングし、分析し、理解することが重要ということをすでに述べました。提案内容が顧客のニーズや問題解決に合わないと、顧客は自分にとって価値のあるものかどうか、購入の必要性があるのか疑問に感じます。提案内容が顧客のニーズや問題に合わないと、費用対効果やメリットをいくら説明しても、顧客の納得感や購入意欲を高めることができません。
②提案内容が具体的でない
具体的でない提案内容は、顧客にとって曖昧で信頼できないものと感じられます。具体的でない例としては、数字や根拠がないもの、実現可能性や効果が不明確なもの、顧客の状況に応じた内容でないものなどが挙げられます。提案内容が具体的でないと、費用対効果やメリットを説明しても、顧客の理解や信頼を得ることができません。
③提案内容が伝わっていない
顧客に伝わっていない提案内容は、顧客にとって理解できないもの、必要がないものと感じられます。伝わらない提案内容の例として、言葉や表現が難解で意味不明なもの、資料やプレゼンテーションが見づらいもの、話し方、聞き方や態度が不適切であるものなどが挙げられます。提案内容が伝わらないと、費用対効果やメリットを説明しても、顧客の関心や興味を引くことができません。
【対策】
①提案内容を顧客のニーズや課題に合わせる
顧客に提案する前に、顧客のニーズや問題を十分にヒアリングし、分析し、理解しましょう。そして、提案内容を顧客のニーズや問題に合わせてカスタマイズし、顧客にとって価値があり必要であることを明確にしましょう。提案内容を顧客のニーズや問題に合わせることで、費用対効果やメリットを説明する際に、顧客の課題に寄り添った具体例や事例で説明することができます。これにより、顧客の納得感や購入意欲を高めることができます。
②提案内容を具体的にする
顧客に提案するときは、提案内容を具体的にしましょう。具体的にするためには、数字や根拠を示し、実現可能性や効果を明確にし、顧客の問題に応じた提案を行うことができます。提案内容を具体的にすることで、費用対効果やメリットを説明する際に、顧客にとって必要であることを理解してもらうことができます。
③提案内容を十分に伝える
提案内容を十分に伝えるには、順序よく、言葉や表現をわかりやすくし、資料やプレゼンテーションを見やすくし、話し方、聞き方や態度を適切にすることが必要です。相手に提案内容が伝わることで、費用対効果やメリットを正しく理解してもらえ、顧客にとって必要であることを示すことができます。これにより、顧客の関心や興味を引くことができます。
費用対効果やメリットを十分に説明することで、顧客に提案内容の価値を伝えることができます。
そもそも顧客ニーズに合っていない
顧客の問題と自社の提供価値に乖離があると、受注は困難です。自社の商品やサービスを必要としていない顧客に対して商談を設定しても成約に繋がる可能性は極めて低いことは自明です。
【顧客ニーズに合っていない原因】
①市場調査や顧客分析が不十分
自社の商品やサービスを提供する前に、市場の動向や競合他社の状況、顧客のニーズや問題などを十分に調査し、分析することが重要です。市場調査や顧客分析が不十分だと、自社の製品やサービスが顧客にとって価値のあるものかどうか、必要があるかどうか判断できません。市場調査や顧客分析が不十分だと、顧客のニーズや問題に合わない商品やサービスを提供してしまい、失注の可能性が高まります。
②自社の強みや差別化が不明確
自社の商品やサービスを提供するときは、自社の強みや差別化を明確にすることが求められます。自社の強みや差別化が不明確だと、顧客にとって他社の製品やサービスとの違いがわからずあなたから購入する必要性を感じません。
③提案力やコミュニケーション力が弱い
自社の商品やサービスを提供するときは、提案力やコミュニケーション力が特に重要です。提案力やコミュニケーション力が弱いと、顧客に自社の商品やサービスの価値やメリットを正しく伝えることができません。提案力やコミュニケーション力が弱いと、顧客にとって納得できない商品やサービスを提供してしまい、失注する可能性が高まります。
【対策】
①市場調査や顧客分析を徹底する
自社の商品やサービスを提供する前に、市場の動向や競合他社の状況、顧客のニーズや問題などを十分に調査、分析が重要です。市場調査や顧客分析を徹底することで、顧客にとって価値があり必要であることを確認できます。市場調査や顧客分析を徹底することで、顧客のニーズや問題に合わせた商品やサービスを提供することができ、受注できる可能性が高まります。
②自社の強みや差別化を明確にする
自社の商品やサービスを提供するときは、自社の強みや差別化を明確にします。自社の強みや差別化を明確にすることで、顧客にとって他社の商品やサービスとの違いをわかりやすく伝えることができます。自社の強みや差別化を明確にすることで、顧客にとって魅力的で、必要がある商品やサービスを提供することができ、受注できる可能性が高まります。
③提案力やコミュニケーション力を向上させる
自社の商品やサービスを提供するときは、高い提案力やコミュニケーション力が必要となります。提案力やコミュニケーション力を向上させることで、自社の商品やサービスの価値やメリットを効果的に伝えることができます。高い提案力やコミュニケーション力は、顧客に対して納得できる商品やサービスを提供することができ、受注に成功する可能性が高まります。
顧客ニーズに合っていないことは、受注に失敗するだけでなく、自社のイメージや信頼性にも悪影響を与える可能性があります。顧客ニーズに合わせることで、顧客の満足度やロイヤルティを高め、受注に近づくことができます。
以上が、法人営業において失注するケースです。これらの原因と対策を理解し、実践することで、法人営業の成果を向上させることができるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。