こんにちは。関西営業代行の水嶋です。今回もよろしくお願いします。
今日のテーマは 「営業とは、企業の課題解決である」です。
この投稿は、何らかの事情で営業活動をしなければならなくなった経営者の方に向けてお話ししていますが、営業初心者の方にも役に立つ内容です。最後まで読んでください。
まず、あなたに質問です。
「営業って、本当は何をする仕事だと思いますか?」
商品を売ること? 契約を取ること?
実は、もっと大事な役割があるんです。
今日は「営業の本当の意味」について、一緒に考えていきましょう。
よくある誤解
営業初心者の方がよく陥る、大きな勘違いがあります。
それは、
- 自社の商品やサービスを売り込んで買ってもらうこと
- 他社よりも優れているとアピールして選んでもらうこと
だと思っていることです。
実際にありがちな営業として、
- カタログの説明ばかり
- 価格の話しかしない
- 「うちの商品は他社よりいいんです!」と押し売りのように話す。
こんな営業をされると、お客様はどう感じるでしょうか?
「また売り込みか……」 「商品の話ばかりで、うちのことは見てくれてないな」
そんな印象を持たれてしまいます。
なぜこのような営業スタイルが生まれるのか?
多くの営業担当者が、このような一方的な営業スタイルに陥ってしまう背景には、いくつかの理由があります。
まず一つ目は、数字のプレッシャーです。売上目標を達成しなければならないという焦りから、つい商品説明に力が入り過ぎてしまうのです。
しかし、このような営業アプローチは、結果的に成約率を下げてしまい、長期的な顧客関係の構築にも悪影響を与えてしまいます。
二つ目は、商品への愛着と自信の表れでもあります。自社の製品やサービスに誇りを持つことは素晴らしいことですが、それが相手の立場を考えない一方的な説明につながってしまうと、逆効果になってしまいます。
三つ目は、営業の基本的な考え方の誤解です。営業とは「売る」ことが目的だと思われがちですが、実際には「お客様の課題を解決する」ことが本来の目的なのです。
本当の営業とは?
では、営業の真の役割とは何か?
それはズバリ、
「相手企業の課題を見つけて、解決すること」
つまり、営業とは「コンサルタント」であり、 一緒に課題を解決するパートナーであるべきなんです。
課題解決型営業のメリット
この考え方に基づいた営業活動には、従来の売り込み型営業と比較して、数多くのメリットがあります。
お客様にとってのメリット
- 本当に必要な解決策を提案してもらえる
- 自社の課題を客観的に整理できる
- 信頼できるパートナーとしての関係が築ける
- 長期的な成長戦略の相談ができる
営業担当者にとってのメリット
- 成約率の向上
- 長期的な顧客関係の構築
- 価格競争に巻き込まれにくい
- 営業活動にやりがいを感じられる
- 顧客からの紹介案件が増える
企業にとってのメリット
- 売上の安定化
- 顧客満足度の向上
- 競合他社との差別化
- 営業チームのスキルアップ
- ブランド価値の向上
企業が抱えがちな課題3つ
実際、多くの企業が共通して抱えている課題があります。
だいたいこの3つのどれか、または複合型です。
- 販売不振 ー 思うように売上が上がらない
- 資金繰り ー キャッシュフローが不安定
- 人材の問題 ー 採用や育成がうまくいっていない
これらの課題を「引き出し」「理解し」、 その解決策として自社の商品やサービスを提案する。
これこそが、本来あるべき営業の姿です。
BtoB企業の商品やサービスは、どれも必ず何かしらの課題解決を目的に作られています。
ぜひ皆さんも、 「この商品は誰の、どんな課題を解決しているんだろう?」という視点で市場を見るクセをつけてください。 とてもいいトレーニングになりますよ。
各課題の詳細と解決アプローチ
1. 販売不振への対応
売上が思うように上がらない企業の多くは、マーケティング戦略の見直しや営業プロセスの改善が必要です。この場合、まず現状の販売プロセスを詳しく分析し、どこにボトルネックがあるのかを特定することが重要です。
例えば、リード獲得は十分でも成約率が低い場合は、営業スキルの向上や提案内容の見直しが必要かもしれません。逆に、リード獲得自体が少ない場合は、マーケティング施策の強化が必要でしょう。
2. 資金繰りの改善
キャッシュフローの問題は、多くの中小企業が直面する課題です。売上があっても入金サイクルが長い、在庫の回転率が悪い、無駄なコストが発生しているなど、様々な要因が考えられます。
この課題に対しては、財務状況の詳細な分析から始まり、具体的な改善策を提案することが重要です。例えば、支払条件の見直し、在庫管理システムの導入、業務効率化によるコスト削減などが考えられます。
3. 人材問題への対策
採用や育成の課題は、特に人手不足が深刻な現代において、多くの企業が抱える問題です。優秀な人材を確保できない、既存社員のスキルアップが進まない、離職率が高いなど、様々な形で現れます。
この課題に対しては、採用戦略の見直し、研修制度の充実、働きやすい環境の整備など、包括的なアプローチが必要です。
では、どうやって課題を見つける?
ここからは、企業の課題を見つける3つのステップをお伝えします。
ステップ①:調べる(事前リサーチ)
商談の前に、その企業のことを調べておきましょう。
調べるポイントは
- 公式サイト(経営理念・事業内容・お知らせ)
- 社長のインタビュー(考え方や方針)
- 採用ページ(どんな人材が足りてないか)
- プレスリリース(新しい動きから逆算できる課題)
たとえば、「人手不足で困っている」とわかれば、 それに対するソリューション提案がしやすくなりますよね。
効果的なリサーチの方法
公式サイトの深堀り
- 企業理念や価値観から経営方針を読み取る
- 事業内容から主力商品や新規事業の方向性を把握する
- お知らせやニュースから最近の動向をチェックする
- 会社概要から規模や成長段階を理解する
業界情報の収集
- 業界誌やウェブサイトでトレンドを把握する
- 競合他社の動向を調べる
- 業界全体の課題や機会を理解する
SNSやブログの活用
- 社長や役員のSNS投稿から経営方針を読み取る
- 会社のSNSアカウントから企業文化を理解する
- 社員のブログから現場の声を収集する
ステップ②:聞く(ヒアリング)
最も大切なのは、「質問すること」です。
課題を知るには、丁寧に聞き出す必要があります。
おすすめの質問例
- 「最近、業務の中で一番大変なことは何ですか?」
- 「もっとこうなればいいのに、と感じることはありますか?」
- 「今、会社全体で力を入れているテーマは何ですか?」
ここで大切なのは、売るために聞くのではなく、理解するために聞くという姿勢です。
ヒアリングを成功させるコツ
信頼関係の構築
まず最初に、相手との信頼関係を築くことが重要です。自己紹介は簡潔に行い、相手の時間を大切にする姿勢を示しましょう。また、事前にリサーチした内容を活用して、相手の事業への理解を示すことも効果的です。
質問の順番と深さ
- 最初は答えやすい一般的な質問から始める
- 徐々に具体的で深い質問に移行する
- 相手の反応を見ながら質問の深さを調整する
- 5W1Hを意識して具体的な情報を引き出す
傾聴の技術
- 相手の話を最後まで聞く
- 適切なタイミングで相槌を打つ
- 重要なポイントはメモを取る
- 相手の感情にも注意を向ける
ステップ③:気づく(観察する)
実際に訪問したり、オンライン商談で相手の様子を観察することも大切です。
たとえば
- 古いパソコンや設備 → IT投資の遅れがあるかも?
- 書類が山積み、手作業が多そう → 業務効率に課題?
ちょっとした違和感を見逃さないことが、ヒントになります。
観察ポイントの詳細
オフィス環境からの読み取り
- 設備の新旧や整理整頓の状況
- 従業員の様子や忙しさの度合い
- 会議室の設備や使用頻度
- 掲示物や資料から会社の価値観を読み取る
オンライン商談での観察
- 背景から働く環境を推測する
- 使用しているツールやソフトの種類
- 画面共有時の操作方法や慣れ具合
- 音声や映像の品質から設備状況を推測する
相手の反応や仕草
- 特定の話題での表情の変化
- 質問への回答の仕方や躊躇の有無
- 時間への意識や余裕の程度
- 他の部署や上司への言及の仕方
こうして相手の課題をつかめば、提案に説得力が生まれます。
そして何より、
「この人はうちのことをちゃんと理解してくれてる」
と感じてもらえる営業になります。
課題解決型営業の実践方法
ここまでで課題発見の方法をお伝えしましたが、次は実際にどのように解決策を提案していくかが重要になります。
解決策の提案ステップ
1. 課題の整理と優先順位付け ヒアリングで得た情報を整理し、どの課題が最も重要で緊急性が高いかを判断します。お客様と一緒に課題の優先順位を決めることで、より効果的な解決策を提案できます。
2. 複数の解決策の検討 一つの課題に対して、複数の解決策を用意することが重要です。予算や時間、リソースの制約を考慮して、段階的に実施できる提案を心がけましょう。
3. 効果の見える化 提案する解決策がどのような効果をもたらすのか、具体的な数字やデータで示すことが大切です。ROI(投資対効果)や改善期間などを明確にしましょう。
長期的な関係構築のために
課題解決型営業の真の価値は、一度の取引で終わるのではなく、長期的なパートナーシップを築くことにあります。
定期的なフォローアップ
- 提案した解決策の効果を定期的に確認する
- 新たな課題が発生していないかチェックする
- 業界の最新動向を共有する
継続的な価値提供
- 関連する情報やノウハウの提供
- 他社の成功事例の紹介
- 無償での簡単なアドバイス
まとめ
最後に、まとめです。
営業で大切な3つのポイント
- 営業とは、相手企業の課題解決である
- 売り込むのではなく、共に解決するパートナーであること
- 商品・サービスは”解決策”として提案するもの
これを意識するだけで、明日からの営業活動がガラッと変わります。
ぜひ、今日の内容を実践してみてください。
実践への第一歩
今日お話しした内容を実際の営業活動に取り入れるために、まずは以下のことから始めてみてください。
- 既存顧客の課題を再確認する
- 現在取引のあるお客様の課題を改めて整理してみる
- 解決できていない課題がないか確認する
- 次回の商談で課題発見を意識する
- 商品説明よりも質問の時間を多く取る
- 相手の話をじっくり聞く姿勢を大切にする
- 自社の商品・サービスを課題解決の観点で整理する
- どんな課題を解決できるのかを明確にする
- 解決事例を整理しておく
課題解決型営業は、一朝一夕で身につくものではありませんが、継続して実践することで必ず成果が現れます。お客様にとって真のパートナーとなれるよう、ぜひ今日から意識を変えて取り組んでみてください。
営業活動でお困りのことがございましたら、いつでも関西営業代行事務所までお気軽にご相談ください。